講習会報告-01

昨日の指導者向け講習会のうち、スポーツドクター吉岡徹医師の講演内容の一部を紹介いたします。

1)投球障害とは

  • 投球障害肩 - 腱板損傷、SLAP損傷、リトルリーグショルダー、他
  • 野球肘    - 内側型・外側型、離断性骨軟骨炎、疲労骨折、他

2)投球障害肩

  • ボールリリース時には自分の体重に匹敵する牽引力が肩関節に加わる
  • 成人では100km/h以上の高速で動いている手が、たった0.2秒という短時間に減速して停止する

→ たった1球の全力投球で肩が壊れても不思議はない

(岩堀ら MB Orthop vol.20 No.7 2007)

肩関節の構造

 

 

 

 

 

 

 

3)野球肘

  • 野球に特有な投球動作の反復・継続による肘関節の損傷
  • 主に内側型と外側型がある
  • 一般的には外側型の方が予後は悪い
  • 原因は投球フォームや過度の反復刺激など

内側側副靭帯損傷(→部)

 

 

 

 

 

 

 

 

4)投球障害の原因と予防

  • 投球障害の原因は投げ過ぎだけでなく、不良なコンディショニングや投球フォームも関与している
  • 投球数や投球フォームの改善
  • 良いフォームで投げられる体作り
  • コンディショニングをしっかり行っていくことが重要

5)日本臨床スポーツ医学会からの提言(1994年)

  • 野球肘の発生は 11、12 歳がピークである。従って、野球指導者はとくにこの年頃の選手の肘の痛みと動きの制限には注意を払うこと。
  • 野球肩の発生は 15、16 歳がピークであり、肩の痛みと投球フォームの変化に注意を払うこと。
  • 野球肘、野球肩の発生頻度は,投手と捕手に圧倒的に高い。従って、各チームには、投手と捕手をそれぞれ 2 名以上育成しておくのが望ましい
  • 練習日数と時間については、小学生では、週3日以内、1日2時間をこえないこと。
  • 中学生・高校生においては、週1日以上の休養日をとること。
  • 個々の選手の成長、体力と技術に応じた練習量と内容が望ましい。
  • 全力投球数は、小学生では1日50球以内、試合を含めて週200球をこえないこと。
  • 中学生では1日70球以内、週350球をこえないこと。
  • 高校生では1日100球以内、週500球をこえないこと。
  • なお、1日2試合の登板は禁止すべきである。
  • 練習前後には十分なウォームアップとクールダウンを行うこと。
  • シーズンオフを設け、野球以外のスポーツを楽しむ機会を与えることが望ましい。
  • 野球における肘・肩の障害は、将来重度の後遺症を引き起こす可能性があるので、その防止のためには、指導者との密な連携のもとでの専門医による定期的検診が望ましい。

6)投球障害は予防できる

  • 選手と指導者のコミュニケーションが重要
  • トレーナー、ドクターと連携し、定期的なメディカルチェックが必要

 

 

Comments: 1 Comment

One Response to “講習会報告-01”

  1. 高畑好秀 より:

    こんばんは、高畑です。大好きな野球を肩の痛みや肘の痛みで辛いものにしたくはないですよね。プロでも痛み止めの薬や注射で誤魔化しながらプレーしている選手がたくさんいます。自分の身体にしっかりと意識を払い、野球をできる身体作りと、正しい身体の使い方を学んで、まずは気持ちよくプレーできることが大切ですよね。大好きな野球が苦痛にだけにはなってもらいたくないですよね。

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